見どころポイント1

手賀沼花火大会で忘れてはいけないのが、手賀沼の夜空を彩る「花火師」の存在。
あまり普段は触れる事が少ない花火師の作業についてや、花火師の花火へ対する思いを教えて頂きました!


高城煙火店
加賀菜穂子さん、高城渉さん、高城勇さん(左から)


野口煙火店
野口進さん

水上でどうやって花火を打ち上げているんですか?

高城煙火店:
タンクローリーやドラム缶で作成した船を杭で固定し、そこに花火を設置し打ち上げております。
花火大会当日は、25~30人の様々のな職業の花火スタッフが集合し、各担当の船で時間をはかりながら打ち上げを実施します。
花火の打ち上げは、危険性の観点から実際に火をつけるのではなく、コンピュータで制御を行い、ボタンひとつで打ちあがる仕組みになっています。

特に作るのが大変だった花火はありますか?

野口煙火店:
「平面花火」です。制作はそこまで難しい事はないのですが、花火は必ず回転して上がる為、開くタイミングで見え方が変わってしまいます。花火玉に紐をつけてある程度調整はしていますが、それでもまっすぐ打ち上げる事はなかなか難しいです。

花火を作成する上で気を付けている事とはなんですか?

野口煙火店:
とにかく、安全が第一です。どんな仕事でも危険は伴いますが、花火は火薬類を扱うので、制作から打ち上げまで危険と隣合わせになり、常に緊張が伴います。実際に何度も火傷した経験もあります。しかし、怖いと思いながら花火の制作はできませんし、油断しても危ないため、常に初心をわすれないように心がけております。

手賀沼花火大会のみどころを教えてください。

高城煙火店:
尺玉の新作や、去年大好評だったキャラクター花火等を披露する予定になっております。好みがあるので、万人に受けるとは言い切れませんが、手賀沼という会場を生かした花火を計画しているので、楽しんでいただければ幸いです。

観覧者へひとことお願いします。

野口煙火店:
毎年、花火をうちあげて、歓声がきこえるととても「花火師をやっていて本当に良かった」という気持ちになります。この喜びを胸に、見ている方が感動する花火をあげたいと思いながら花火を制作しておりますので、どうぞ今年もひとつひとつ花火を最後までゆっくりとお楽しみ下さい。

高城煙火店:
何年か花火大会がなくて(2010~2012年の3年間)、今まではあまり実感がなかったが、2013年に花火大会が復活開催されて市民の皆さんが楽しみにして下さるイベントだと改めて実感できました。今年も無事開催できる事に感謝して花火用意しますので、花火の時間をゆっくりと楽しんで頂けたら幸いです。

花火制作の様子


1.花火を爆発させて、色のついた火薬を遠くに飛ばす役目を果たす「割火」


2.色のついた火薬「星」。これで花火の色合いがきまります。


3.小さな芯のまわりに火薬を何重にもまぶして少しずつ大きな球にしていきます。


4.尺玉の玉からの半分を設置し、火薬をつめこんでいきます。


5.尺玉いっぱいに「星」と「割火」を詰め込みます


6.この上からクラフト紙をのりで貼りつけていきます。


7.クラフト紙を張り、天日干しします。


8.クラフト紙を貼りつけたら、天日干しをし、乾燥させるまでを1セットとします。尺玉には何セット行ったか回数がメモされています。


※キャラクター花火用の尺玉


※打ち上げ用の筒。ステンレスは使用後も洗いやすく、扱いやすいそうです。


※花火の打ち上げを制御する機材。

最後に

花火師さんはとにかく「安全」を第一に掲げ、そして「見ている人が楽しんでくれる花火」を目指して、時間と手間を惜しまずひとつひとつ心をこめて花火を作っていることが今回のインタビューで特に伝わってきました。
今年の手賀沼花火は、花火師さんの想いや花火の奥深さを胸に留めて見るとまたあらたな楽しみ方を感じられるかもしれません。
高城煙火店さん、野口煙火店さん、お忙しい中快くインタビューをお受け頂き、ありがとうございました!